1月の話

1月がもうすぐ終わってしまうので、何かを残さねばならないという気持ちになっている。わたしはこういう性格なのでなにをするにもきっかけを必要とする。2018年になってから日記を書くようになり、おこづかいを記録するようになり、化粧水を変えた。

 

わたしは2018年も相変わらず愛のことを考えている。そういえば、両親と恋人が初めて会った。どこで会うのがいいか考えすぎた結果、よくわからないチェーンの居酒屋になってしまったけど、それはそれで新鮮だった。一応個室なので席を立つとき片方に扉を寄せなくてはならなくて、向かい合った母と恋人が一瞬気まずくなるのが良い。会話は思ったよりもスムーズで、父はわたしに話したことのない、小さい頃住んでいた街の坂の話をしていた。

「急な坂を自転車で登ることを毎日目標にしていて」

「登れたんですか?」

「登れたね。登れない坂はなかった。」

誇らしげな父の顔が少年のようで、そんなことを自慢げに言われても、と笑う母の顔も少女のようだった。

 

母はわたしの恋人のことを「よく気づく子だね」といっていて、わたしたちはその日の会話を思い出しながら笑った。

 

わたしはまだ若いから、結婚するとか家族になるとか、そういうことの意味がよくわからないけど、いつかわたしが50歳になったとき、母と同じように笑っていたいと思っている。

 

もうすぐ2月になってしまうので、またなにか思い出したら書き足そう。明日から部署が変わります。